報恩講のお知らせ
親鸞聖人は、弘長二年(一二六二)十一月下旬のころから、ちょっとしたご病気になられました。それからというものは、世俗の事は全く口に出さず、ただ仏恩を深く頂戴してきた喜びの言葉だけをおっしゃって、ほかのことは言葉になさらないで、もっぱら念仏を絶えることなく称えておられました。そしてその月の二十八日正午ごろ、釈尊入滅の行儀にならって、頭を北に、顔は西に、右脇腹を下に臥したまま、とうとうお念仏の声が絶え、亡くなられたのでした。御年は九十歳でした。その時のお住居の場所は、京都の押小路の南、万里小路の東でしたから、遠く賀茂川の東の道を通って、東山の西麓で、鳥部野の南側、延仁寺で火葬にせられました。翌日、ご遺骨を拾い、同じ東山山麓で、鳥部野の北側の大谷にお納めしました。
このように聖人の最後に出会った門弟たちや聖人のご教化を受けた老若の門徒たちは、それぞれ在りし日のことを想い出し、ご遷化の今を悲しんで、みな聖人を恋い慕い涙を流したことでした(『御伝抄』下巻・第六段より)。
さて報恩講(ほうおんこう)は、親鸞聖人のご命日(旧暦では十一月二十八日、新暦では一月十六日)にちなんで、聖人のご生涯を偲び、私ども一人一人が、お念仏の教えに出遇えたことを喜び、そのご恩に報いてゆこうとする法要です。その意味で、われわれ真宗門徒にとっては、一年で最も大切な法要であるといわれています。
つきましては大恩寺では、左記のごとく報恩講法要をお勤め致します。ご家族、ご友人の皆さまお誘い合わせの上、お参り下さいますようご案内申し上げます。また当日は、お斎(おとき・お食事)を用意しておりますのでお召し上がり下さい。
日 時 平成二十七年十一月十五日(日)
午前十時、並びに午後一時
場 所 大恩寺本堂
御講師 武蔵野大学学院長 田中教照先生
なお、午前十時のお勤めは、十一月の祥月命日合同法要も併せて行います