ハワイ、オアフ島ワイパフ本願寺五日間の旅
岡本信之
十二月一日、家内たちがハワイに出発する三日前に、偶々同じ便に
一つだけ席が空いていて、安いチケットが手に入ったのが、良かったのか、
悪かったのか、私は家内たちが一才の双子と三才の孫の三人を抱えて六時間、
機内や荷物を持つのが大変だろうと思って急遽、一緒に行くことにしたのだが、
「責任感がない、計画性がない、やれいい加減だ、」などとさんざん言われて
しまう旅行の始まりであった。信悟が赴任したワイパフ本願寺の様子を見たい
と思ったのも事実ではあるが。とあれ無事に到着。若坊守は引っ越しの準備、
三人の子供の世話と目の回るような忙しさの二ヶ月間を経て、やっとの事で
信悟に再会、新天地にたどり着き、くたびれ果てた様子である。しかしながら、
のんびりしてはいられぬ。本願寺のメンバーが次々に挨拶に訪れ、その度、
笑顔と苦しい英語で応対。坊守も私も息子たちのためと必死。ワイパフ本願寺
は百五年の歴史を持つ立派なお寺である。庫裏も広く申し分ない。ハワイで初
めてという、本願寺が経営するデイケアがあり、毎日週末を除いて、六十人位の
お年寄りが集まってくる。ほとんどが日系人であるが十人ぐらいは他の人種だ
そうだ。月に二、三回、お勤めや法話がなされるとのこと。ハワイでは比較的
都市部といわれるワイパフでも若い世代の人たちはほとんど北米へ移り、子供
たちが非常に少なくなり、お寺で幼稚園や日曜学校、日本語学校を運営、維持
していくことが非常に困難な状況になっているとのこと。将来のハワイ開教を
考える上に、些かの懸念を抱かずにはおれない。実際に滞在中に会ったメンバー
の多くは八十を越えた元気な方たちばかりであった。(次号に続く)
ワイパフ本願寺 内陣
本堂前 デイケアホーム