一口法話

石巻市湊小学校避難所より  岡本信之

 今日は八月三日、姫路市善教寺の結城思聞先生(元フジテレビのアナウンサーの松倉悦郎師)と橋本布教所の高山先生、ハワイから帰って来たばかりの慈恩寺の小泉龍馬君、お仏壇の「はせがわ」のご子息の哲真君の五人で石巻市湊小学校避難所での初盆法要のお勤めに車で約五時間かけてやってきました。私は四回目の訪問となります。電気、ガス、水道の設備は復活しているようですが、至る所、まだ瓦礫の山だらけです。今にも倒れそうな家やビルの間を恐る恐る通らねばなりません。雑草の緑が鮮やかな芝生のように見えます。あれから五ヶ月が経って、人々の顔にも笑顔がもどってきているようですがしかし全ての人が、あの津波で家族の人を亡くし、家を流され、職場を無くし、これからどのように生きていったらいいのか、途方に暮れている人たちです、と言っても過言ではありません。住む所、生活費、仕事等を国や自治体が確保してあげなければ、ボランティアの人たちの手ではどうすることもできません。せっかく皆でがんばろうと結ばれた絆が今にも切れそうです。もうズタズタに切れてしまっているかもしれません。

 初盆法要では結城先生の金子みすずの詩の朗読で始まったご法話に参加して下さった方々みな、深い感銘を受けられました。「ほとけさまは、いつでもどこでもいっしょ。」

手を合わせ、みんなで大事にしたい法の味です。  合掌

 

 

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