一口法話 -もしも今-

                                  岡本信之

 

もしも今、我が家にパソコン、テレビ、ラジオ、新聞がなかったならば。

 巨人が勝とうが負けようが、松井がホームランを打とうが打つまいが、宮城県の中学3年生の拳銃ほしさの警官傷害事件も、選抜高校野球の優勝校の平手打ち事件のことも、ホリエモンの広島6区選挙出馬も、泥沼化しつつあるイラクの戦争のことも、不気味で嫌みな北朝鮮のことも、刺客だ、くノ一だと騒いでいる選挙区のこと等々、知らぬが仏。心痛めることもなく腹を立てることもなく、自分の家庭を愛し、足下を見つめ、仕事に専念できるであろうに。

 マスメディアの普及は著しいものがある。様々な情報を一瞬にして得るこ とのできる時代であり、現代人は随分物知りで知識がいっぱい頭につまっているみたいだ。しかし実際には誰が結婚しようと離婚しようと、核の危機があろうとなかろうと、誰が勝とうと負けようと、頭に詰まっている知識や情報はほとんどが、自分の生きる有意義な道を教えてくれるものではないようだ。つまりは取るに足らない雑学である。

 真剣に自分を見つめ、自分の歩むべき道をしっかりと進んでいこう。お念仏の道を。

 

  嬉し恥ずかし有り難し 口にははっきり言えないが

  心の底からうなずける 明るい道が見えてきた