18.「法話を聞いてください」
岡本信之
大恩寺の住職をしていた、とても残念の思うことがひとつあります。
それは、お盆やお彼岸の法要おり、また、毎月勤められる祥月命日合同法要のおりに、時々起こることです。
それはどういうことかと申しますと、せっかく法要にお参りされた方のなかに、お経が終わるとすぐ席を立って帰ってしまう方がおられるのです。どうしても帰らなければならない事情がある方もあると思いますが、お説教が終わる最後まで本道にいて欲しいです。
お寺で勤まる法要や法座で、お経を聞くことや、お焼香をすることも大切なことですが、特に私たちの浄土真宗においては、ご講師のお説教、法話を聞かせて頂くことが法要や法座で一番大事なことなのです。
良く尋ねられる質問に、「お経を聞いても難しくて何にもわからないから、もっとわかりやすいお経にしてもらいたい。」その質問の答えが「法話を聞いてください」なのです。
お盆やお彼岸、祥月命日を勤める意義や、由来、お経の言葉の味わい、宗祖親鸞聖人のこと、浄土真宗の中興の祖といわれる蓮如上人のこと、お念仏の教え、お釈迦様の教え、ご本尊、阿弥陀如来さまのはたらき、仏事作法、等々聞かねばわからないことばっかりです。法話を重ねて聞かせて頂くうちに、「お経は難しい」から「お経は有り難い」に変わってきます。それが浄土真宗です。