一口法話

    「お念仏申す。」    岡本信之

 

念仏とは、南無阿弥陀仏を称えることです。親鸞聖人の時代以前は「諸仏、諸菩薩を念い浮かべ、心を静める。」のが念仏でした。親鸞聖人の教えの要は「本願を信じ念仏申さば仏と成る。」という教えです。南無阿弥陀仏の南無という字はサンスクリットのナマスという字が音写されて出来た字で、「帰命する、まかせる、たのむ、」という意味です。阿弥陀仏は阿弥陀如来ともいい、浄土真宗のご本尊です。阿弥陀という仏さまの働きに無量寿、無量光、つまり、限りないいのち(慈悲)と限りないひかり(智慧)があります。慈悲の働きは、抜苦与楽、私たちの背負っている老病死、愛別離苦等の苦しみを乗り越えてゆく力と勇気、喜びを与えられます。また智慧は「無明の闇を破する恵日なり。」と言って、私たちの迷いの闇を晴らして下さるのです。迷信や占い、のろいや霊などを恐れることがなくなります。また、人生の一つひとつの出来事を自分のこととしてそのままを受け入れる事ができるのです。ほとけさまの智慧と慈悲の中に、強く明るく生き抜き、お浄土への道を歩ませていただくのです。

 南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と称えるよりも「なまんだぶ、なまんだぶ。」または「なんまんだぶ、なんまんだぶ。」と称える方が称えやすいように思います。称える回数は問題ではありませんが、何回も称えたほうが、「必ずお前を救うぞ。」という阿弥陀さまの力強い呼び声がよく聞こえてきます。  合掌

 

home back