一口法話 我が心
岡本信之
色とりどりの花がいっぱい。新緑萌え、風薫る五月。季節は最高。けれども日本全体に何かしら暗く悲観的な感じが漂い、政治、経済、医療、教育、家庭、老人問題等々、明るい兆しが見えてこないと不満げに現代の日本人の多くの人は言っています。
明治時代の真宗大谷派の僧、清沢満之の言葉を紹介します。
「人生を楽しく暮らすのも我が心、苦しく暮らすのも我が心。我が現在の境遇を不幸だと思うも我が心、幸福だと思うも我が心。この心が苦楽悲喜の分かれるもとで、心以外に苦楽の事物があるものではない。他人を羨み人生を悲観し、私のような不幸な者はないと我が身の運命をかこつ人は、わが心の修養に着手せねばならぬ。我如来を念ずれば世に処するの道開け、如来を忘るれば世に処するの道閉づ。」と。
また、
「ミニマム,ポシブル。可能な限り最低限、最小限の生活」をと、教えています。衣食住があまりにも豊かな現代の私たちの生活に、警鐘を与えてくれる言葉です。大無量寿経にある「少欲知足」の大切さにも通じる言葉です。
今こそ私たち日本人は、この言葉をしっかりと受けとめ実践していきたいものす。