一口法話
お経を分かり易く 岡本信之
「お経は漢文の上、言葉一つ一つが難しく、もっと分かり易くならないものですか。」とよく尋ねられます。
確かに、私も若い時はお経の内容や言葉等、ちんぷんかんぷんでした。お坊さんになっていろいろ勉強させてもらいましたが今はお経の言葉の意味や内容も、すっかり忘れてしまって、情けない限りです。しかし有り難いことに、仏教辞典という辞書がありますので言葉の意味は、その都度その都度調べればわかります。考えてみれば、むかし英語の勉強の時、分からない単語は必ず辞書を引いて覚えたものです。とはいうものの、お経は一生かけて言葉一つひとつをしっかり勉強したらそれで解るというものではないようです。
心がぐらぐらする時や、悲しい時、寂しい時など、お経を声を出して挙げると、心が静まり、何かしら頑張っていこうという力が湧いてくるのが不思議です。言葉の理解も大事ですがそれ以上に私の力になってくれるのがお経を声を出して読むことだと教えられました。お念仏もお経と同じように声を出して称えると不思議と心が落ち着き、勇気が湧いてきて「有り難いなあ、」と喜ばせて頂けるものです。