葬式

ご不幸があり、葬儀を出すことになった場合は、お寺に直接ご連絡をください。

一緒に日程の調整をさせていただけると有り難いです。

もし葬儀社の手配が必要であれば、お寺から葬儀社を紹介することもできます。


葬儀社に、「大恩寺とは付き合いがないので、大恩寺から僧侶を呼ぶことができません。」と言われ、知らないお坊さんを紹介されてお葬式を済ませました、と聞くことが時々ありますが、不誠実な葬儀社だと思われます。

本来、僧侶は家族がお手次寺(菩提寺)に連絡をし手配するもので、家族がどこもお寺を知らない場合、葬儀社が僧侶を紹介することがあります。家族が出すお葬式であり、葬儀社は家族のお葬式をサポートする立場です。葬儀社がお寺と付き合いがないからと言う理由で、お手次寺から僧侶を呼べないということはありません。

もしご不幸があり、葬儀を出すことになった場合は、ご自身のお寺(手次寺、菩提寺)に直接連絡をしてください。そして、葬儀社にはご自身のお寺を伝え、日時等の調整を始め諸連絡を取ってもらってください。

(このことは、全ての宗教宗派に共通して言えることです。)


「家族葬」について

ここ十年弱で家族葬という言葉と形式が一般化されたように思います。二十年ほど前までは、大勢の方がお参りする葬式や社葬が一般的でした。しかし、中には開式時刻に遅れ、記帳だけしてさっさと帰るという、いわゆる「しがらみ」で形だけ参列している方は大勢いました。もしかすると、自分の葬儀を家族葬で望まれる方の中には、そういう人には来てもらわなくて良いからという思いがあるのかもしれません。

家族葬という言葉は新しい造語であり、もしその原形を探すならば、「密葬」と呼ばれているものと考えられます。

密葬とは「本葬」に対する言葉で、まず家族で密葬を勤め、後日本葬を勤めます。本葬を、故人に成り代わり生前お世話になった方々にお礼を申し上げる葬儀式と家族の側から考えたとき、密葬は家族で故人をゆっくり偲びお参りする式と言えます。

ですから、密葬は本葬があることを前提に勤められます。そこから密葬だけを取り出し、一般参列者にお断りを申し上げて、近親者だけで故人を送ろうとするのが現在の「家族葬」となっているように思われます。

このコロナ禍の中、感染症対策をして、できる限り密にならない空間で、しかし、きちんとした儀式を勤めるという意味では、家族葬は意義のある葬儀形式であると思います。

しかし、前述したように、葬儀には「故人に成り代わり生前お世話になった方々にお礼を申し上げる」という意味もあります。葬儀式で故人がどれほど多くの方々のご縁をいただいていたか初めて知った、ということもよくあることです。また、「コロナだから仕方ないけど、できればお葬式に参列したかった。」という声はとてもよく聞かれます。

そして、ここに家族葬のデメリットがあります。もし、葬儀に参列できなかった方々が、個々に電話をしてきて、個々にご自宅に来てお参りしたいと願い出たとしたら。家の掃除をして、お茶を出して、話をして、等々、それを個別にするとなると、とても大変なことです。

どのようなお葬式にするか決めるとき、送られる側、送る側、参列者、参列できない方、等々を考慮し、広い視野で考えお決めください。